こんにちは!理学療法士のパワーポイントでのスライド作成に関しての記事です。

スライド内の文章や写真、イラストを見やすく配置する方法を教えて下さい。

以上のような、理学療法士の質問にお答えします。

✔この記事の内容
・スライド内の見やすい配置が分かる
・写真や文章の配置の仕方が分かる

目次

配置の基本の構図

 最初に、スライドを下の図のように区切ってみてください。(頭の中のイメージでかまいません。)そして、赤と青の丸に注目してみて下さい。対角線上にそれぞれ同じ色となっていますが、配置としてはこれが見やすい構図となります。実際にシンプルなスライドを例に見てみます。

構図スライド

 赤の丸には注目してほしいもの(大きい物・目立つもの・キーワードなど)を、青の丸には補助的なもの(細かい説明文・小さい物など)を入れます。それぞれ対照的な存在が対角線上にあることでスライドとしてはバランスが良くなります。

構図スライド2

 枠を外すとこんな感じです。シンプルですが、注目してほしい所にパッと目がいきます。そして、説明文は邪魔せず無関係な感じもしません。

構図スライド3

 今度は、赤の丸と青の丸を両側に分けてみます。注目してほしいものが左側、補助的なものが右側です。注目してほしいものが同側にあると目には入りやすいですが、補助的なものが部外者扱いとなってしまいます。同じスライドで解説しているのに、まるで見開き2ページの感じがします。これでは、右側を読む気が少し減ってしまいます。

構図スライド4

 まずは、目立つものと補助的なものを対角線上に配置して片側に偏らないように配置するのがポイントです。また、最初に示した図のような位置がバランスが良いので参考にしてみてください。イラストひとつであっても丸の位置が良いということです。ただし、スライドや使用するイラストによっては微調整が必要だと思いますので、その時は配置した後、少し画面から離れて眺めてみてくださいそうすると画面の近くよりはバランスが良いかどうかの判断がしやすくなります。

構図スライド

写真の配置で印象を変える

写真とスライド独立パターン 

 下の図は、認知症に対する言葉とイメージ図です。文字とイラストを対角線上に配置し、それぞれ独立した配置となっています。

写真の配置、写真とスライド独立

このスライドが与える印象とは?

認知症に対して客観的に冷静に見ている

 よく勉強会のスライドなどでは、挿絵として写真が独立していますが、それと同様にスライドの内容を客観視している印象となります。いわゆる学ぶという目的のスライドであったり、文字を補助的に(軽く)イメージさせる時にはこのような配置が良いと思われます。

写真の中で独立パターン

 このスライドは、写真の中に文字が挿入されています。注目すべき人物にはかぶらず写真の中で独立しています。

写真の配置、写真の中で独立

このスライドが与える印象とは?

認知症の世界に感覚が入り込みやすい

 写真の中の人物に感情移入しやすく、写真の世界観の中で言葉を感じるような印象を与えます。よく旅行の写真でも絶景の隅に一言メッセージが載っているようなものがありますよね。それと同様にこの配置によって感覚的に訴えかける効果があります。自分の世界観や伝えたいものに共感を得たい時には使えます。

写真と文字の合成パターン

 このスライドは、写真と文字がシンクロし重なり合う配置となっています。

写真の配置、写真と文字合成

 このスライドが与える印象とは?

認知症の世界観に関連した格言

 写真の人物は文字によって隠れてしまいましたが、今回は背景としての効果が強くなっています。文字を中心にしてかぶせることで、有名な人の名言のような印象を与えます。つまり、スライドの作成者ではなく、第3者の良い言葉を披露しているような印象という事です。最後の締めのメッセージなどまとめとしての使い方もできます。

3パターンの写真と文字の関係を印象ごとに分けました。そのスライドで何を感じて欲しいか(学びとして?感覚的に入りこんでほしい?メッセージ性を強めたい?など)によって工夫してみて下さい。

文字をイラスト化する配置

 よく理学療法の勉強の中で、仕組みやメカニズムといった言葉で経路や関連臓器順に流れを書くことがあると思います。例えば、下のような感じです。もちろんこのような書き方でも伝わりますが、今回は配置と文字に少し工夫してイラストを使わず図式化してみます。

メカニズムスライド

下のようになりました。イラストは使用していませんが、視覚的にとらえやすくなりました。

メカニズムスライド2

ポイントは図にも書いてある通り

  • 同じ部位は同じ形・同系色を使う
  • 配置を実際のものに近づける
  • 基本的に単語で表す

 という3点です。『伸長刺激』のところはコピーして文字色を変更し、ずらしています。イメージとしては打腱器でたたいているような動きを印象付けたかったのですが、少し分かりにくいですかね。しかし、これで少し視覚的な理解が促せると思います。ぜひオリジナルの文字スライドを作ってみてください。

イラストが動いて目立つ配置

 下のイラストのように複数が均等に並んだものがあります。これに配置で少し動きをつけて一部分だけ目立たせる工夫をします。イラストだけでなく文字や写真でも同じような事が出来ます。

イラストベース

少し動かして目立つ

 一部を少し横にずらします。すると大きさなどは変えなくてもずらした箇所へ注目が集まりやすくなります。目立たせるというのは、派手にするのではなく人の目が行きやすくする事なのでパッと一番最初に目に入るように出来れば良いのです。

イラスト1

巨大化する

 色味は変えませんが、少しサイズアップすれば一部が映えたことになります。角のものであればイラストの大小が対角線上になるのでバランスも良くなります。

イラスト2

角度を変える

 目立たせたい箇所のイラストを斜めにします。これは、絶大な効果という訳ではないですが、「あれっ、何か違和感あるぞ」という所から結果的に注目が集まれば良いので、このようにイラストに動きを付けて強調としています。

イラスト3

さいごに

 配置に着目して、伝わりやすい方法をお伝えしました。それぞれのスライドに合った方法を参考にしてみて下さい。また、パワーポイントをいちから作るにあたっての基本的なポイントは以下の記事をご参照下さい。